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ICU看護師の適性は、優秀であることではありません。緊急性・専門性の高い緊迫した状況だからこそ、最も重要なのは「対話力」です。また、ICUでの経験は、確実に看護師としての成長につながり、やりがいを見つけたり給料アップも叶ったりします。
この記事では、ICUで新人から6年間勤務した筆者が、ICUの仕事内容やICUに向いている適性などを解説します。

ICU看護師の適性は優秀さよりも「対話力」と「学ぶ姿勢」
緊急性・専門性の高いICUで働く看護師に向いている適性は、優秀であることではありません。必要なことは、ルーティンやマニュアルが通用しない現場だからこそ、医師や周囲のスタッフとやりとりができること、どのような状況でも患者や家族の気持ちを考える力です。
ICU看護師に求められるスキルは「対話力」
ICU看護師にとって最も必要なスキルは対話力です。筆者が新人で配属された時、一番はじめに指導されたことが報告の方法でした。迅速に情報を伝える能力、チームで動きやすく伝える能力を身につけることが重要視されます。
ICUは、緊迫した状況でひとりで動くことはありません。必ず医療チーム、看護チームで対応します。基本的に、患者担当看護師、指示出し看護師、外回り看護師に分かれます。薬の投与1つとっても外回り看護師が薬を準備し、担当看護師が投与する際に声を掛け合います。
急変時のコミュニケーション不足が引き起こすリスク
筆者が担当する患者の急変時、熟練の知識豊富な先輩看護師が応援に来ました。先輩看護師は経験から使用する薬剤を予測し準備していましたが、別の看護師が医師から直接指示を受け準備し投与していました。筆者も他の看護師も、それぞれ知らないうちに事が進んでいた状況でした。薬剤も無駄になり、声かけ不足や小さなコミュニケーション不足の積み重ねが過重投与を招くのだと学びました。
また、通常時のモニタリング・アセスメントで異変をみつけた時も、一人で判断したり対応したりするのではなく、迅速に正確に報告する能力を身につける必要があります。SBAR法を使った報告方法を訓練しました。
ICUでのコミュニケーションは看護師自身の安全を守る
ICUでのコミュニケーションは、緊急で精密な治療が必要で、ミスなく異変に気づきやすくするため、重大な出来事での責任問題や自身の身を守るためにも、なにより重要です。自分がなにを担当しているのか、これからどの業務を行うのか、なにか気づいたのか、声に出すことが大切です。ICU看護師に求められるスキルは、患者のため、チームで動くために必要な声を出せること、コミュニケーションをとれることです。
ICU看護師に向いている適性は「学ぶ姿勢」患者に寄り添えること
患者の命を預かるうえで緊急時に備えて予測をたてたり、緊急時に冷静な判断をしたりするには知識と経験が必要です。データ分析能力・洞察力・瞬発力など高度な対応をするためには、日々学び、判断できるよう成長していくことが求められます。
また、緊急で入院となったり、状態が不安定だったりするため患者・家族は常に不安をかかえています。患者は、どのような状況でも気持ちに寄り添える看護師を必要としています。
学ぶ姿勢とは「患者と家族に寄り添う姿勢」のこと
筆者の経験で印象深いことは、緊急手術が必要となり不穏となった患者と不安を抱える家族と後輩看護師の出来事です。手術前の準備や全身管理など緊急でやることが多々ありましたが、筆者はその仕事を引き受け、後輩は患者と家族の傍で話を聞いたり手を握ったり寄り添いました。手術後、後輩が担当するとより笑顔がみえ安心した様子で、家族も信頼してくれていることがわかりました。
緊急時は大変ですが、看護はただの作業ではないのだと感じました。後輩も「あの時はただ不安を聞くことしかできなかったけど、経験したことや知識が増えた今はもっと患者のためになれている実感がある」と話し、気持ちに寄り添うことと日々成長する姿勢が、ICU看護師の適性であるといえます。
ICUは、看護師が一番身近な医療職であることをより感じる現場です。常に成長しようとする姿勢と、緊迫した状況だからこそ、専門性や緊急性のみにとらわれず安心できるような声かけ、信頼されるケアで支えていく役割があります。

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ICUの看護師として働くメリットは「スキル・年収アップ」
ICU看護師として働くメリットは、多くの経験ができ看護師として成長できることです。医療知識や専門的なスキルが身につき看護師としてスキルアップし、看護師のケアも患者の回復に影響することを感じ、やりがいがあります。また、仕事に見合った年収アップも期待できます。
豊富な経験で看護師としてのスキルが上がる
ICUでの臨床経験は、どの病棟でも必ず役立ちます。多くの症例を経験し、他科に渡る患者を受け持つことで、判断力や対応力が向上します。筆者は、救急科が中心のICUに所属していました。主治医だけでなく、患者の全身管理に必要な科の医師など、多職種とやりとりをします。循環器、心臓血管外科、消化器外科、血液内科、多岐にわたる科の患者を担当し学びがありました。さらに、CEや薬剤師、PTなどと連携をとります。
チーム医療として、それぞれ分野の専門性の高い力を出し合い患者をみることで看護師として確実にスキルアップできます。治療も常に新しく更新されるため、看護師も新しい知識や技術の習得が必要で、勉強会や研修、学会の機会も多くありスキルを深めることが可能です。臨床での実践には先輩看護師や医師からの助言を積極的に吸収しましょう。日々の勤務のなかに常に改善点や学びがあり、最新の治療や知識を患者の状態に反映させる現場経験も積んでいけます。自分の成長の積み重ねがキャリアアップにつながり、看護師としての存在意義ややりがいを感じることができます。
看護の力を実感でき、患者の回復に貢献できる
ICU看護師のやりがいは看護の力を感じられることです。看護師のケアが患者の回復に影響を与えていることを実感できる場面が多くあります。患者の救命に貢献できたり、危機を乗り越えたりする場面に立ち会うことも少なくありません。筆者はICUで、看護師が行う処置や清潔ケア、口腔ケアそのものが合併症予防になることも痛感しました。早期に異変に気づくことも重要ですが、経験が必要です。しかし、看護ケアは新人でも効果を発揮でき、その責任感と達成感からとてもやりがいを感じるものでした。
ICUは、患者の状態が改善し、回復していく様子を間近で見守ることで、患者の命の力強さと、チーム医療の一員として貢献できることに大きなやりがいを感じます。また、搬送時の緊迫した状況では、患者・家族とも非常に不安をかかえ看護師を頼りにしています。不安や痛みに寄り添い精神的サポートすることで、信頼関係を築き感謝されることも、医療者として支えになれるのだと実感しながら働くことができます。
年収は一般の看護師より約40.8万円高い
ICU看護師は、経験や資格、勤務先によって年収を上げることが可能です。一般病棟看護師の平均月収は39.9万円に対して、ICU看護師の平均月収は43.3万円となり、ICU看護師の方が月収で約3.4万円高く、年収は約40.8万円高くなります。また、ICU勤務になると、「特殊業務手当がつくこと」「夜勤回数の増加」「緊急対応による残業手当」によってさらに年収が上がります。
筆者が所属していたICUは変則2交代制でした。平均夜勤回数は5〜6回で、平均残業時間は月10時間でした。長日勤や夜勤での残業が多く、日勤は定時で帰れることが多かったので、生活リズムは崩れにくかったように思います。緊急対応での残業は身体的にも精神的にも大変でしたが、夜間の残業は割り増しになるので、その分の給料がもらえるならと割り切ることができました。
また、ICUでの経験は高度な技術や専門的な知識を習得しているとみなされ、キャリアアップにつながります。病院によっては、ICU勤務の経験や資格に応じて、さらに手当が加算される場合もあります。さらに、専門看護師や認定看護師、呼吸器や循環器などの資格を取ることで活躍の幅は広がっていきます。

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ICUの看護師として働くデメリットは「負担の大きさ」
ICUは、生死に関わる現場なため、精神的にも身体的にも負担がかかります。患者の回復だけでなく、急変のリスクが常にあり、緊急対応の難しさややるせなさを痛感することもあるでしょう。大変な仕事ではありますが、それ以上のやりがいがあります。魅力と現状を知り、デメリットを克服しようとすることがICU看護師の適性かもしれません。
患者さんとの関わる時間は少ない
ICU入室対象の患者は、重症度が高くコミュニケーションがとりにくい傾向にあります。受傷時や術後は、身体的な侵襲がとても大きく救命が優先されます。また、身体の回復が優先されるので、会話や患者自身のことを知る機会は少ないです。しかし、患者も家族も不安を抱えており、少しでも気持ちを和らげられるのが看護師の役割でもあります。
また、全人的に患者を捉えることは医療においてとても大きな意味があります。治療方針や患者の意思決定など難しい場面に役立つからです。関わる時間は少ないですが、大変な状況だからこそ密に関わることで信頼関係を築けます。患者の背景・好きなものを知ろうとすることが大切です。
生死に関わるプレッシャーが大きい
ICUの看護師は常に緊張感をもって業務を行う必要があり、プレッシャーが大きいです。患者の命を預かり、生死に関わる場面に立ち会うことも多くあります。そのようなとき、命の尊さと医療のやるせなさを感じました。さらに、緊急時対応は、多職種と連携をとる必要があり、学習意欲を維持し続けなければなりません。チーム医療が重要で、それぞれが力を発揮することでよりよい医療が提供できるため、看護師として力をつける必要があります。
対策として、メンタルヘルス対策は重要です。不安に感じたことやショックだったことも積極的に周囲の先輩を頼ることで、経験を聞くことができたり共感し合えたりします。また、自身の成長・スキルアップが直接チーム医療に、そして患者に影響することがわかるのもやりがいにつながります。プレッシャーを感じたら行動に移すチャンスと捉えてみましょう。
夜勤・残業による負担が大きい
ICUは、24時間体制で全身管理をしており、人員配置も一般病棟よりも多いため夜勤回数も増える傾向にあります。夜勤は、生活リズムの乱れや睡眠不足など身体的な負担があり、少人数で対応をせざるを得ないことによる精神的な負担もあります。また、緊急入室や緊急手術など不測の事態も発生するため、残業が多く、勤務時間が長時間になることもあります。
ICU看護師を目指す場合は、夜勤・残業が多いことを理解しておきましょう。夜勤が増えれば夜勤手当がその分支給されます。また、ICUは業務が効率化されているので、状態が安定していると定時で帰れることも多かったです。仕事とプライベートのオンオフをしっかりつけて切り替えることと体力の維持、体調管理をして対策しましょう。

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ICU看護師を目指すなら「看護師転職サイト」がおすすめ
ICU看護師として働きたい方は「看護師転職サイト」の登録がおすすめです。ICU看護師は一般の求人では公開されない「非公開求人」が多く、自身に合う職場を見つけやすくなるからです。
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また、登録者限定の非公開求人数も多いため、「年収600万円以上」「残業なし」等の好条件の職場が見つかる可能性が高いです。一般の求人では中々出会えない職場で働きたい方は、【レバウェル看護】の公式サイトより無料会員登録をおすすめします。
レバウェル看護 公式サイトへ2.地方の転職なら地域特化型の「ナース専科 転職」がおすすめ

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看護師ワーカー 公式サイトへ【まとめ】ICUの看護師は必要なスキルがあればなれる
ICUの看護師は、専門的で先端医療を学び、看護師として多くの経験ができます。筆者は、新人から6年間ICUで看護師として勤務しました。先端医療・集中治療の素晴らしさと、看護の力、患者や家族のもつ命の力を感じました。ICU看護師にとって最も重要だったのは、「対話力」です。多職種の医療者、患者、家族と信頼関係を築ける能力が必要です。緊急時の緊迫した状況でよいコミュニケーションをとるには、自身の知識や技術、経験が必要で、常に成長する意欲も必須です。
ICUの看護師になるには、必ずしも優秀であることは重要ではありません。転職をお考えの看護師は、ぜひICUでの経験をし、スキルアップに活かしてください。






















